【株】機械セクターの銘柄分析/検討:キトー、新晃工業【高配当PF】

高配当ポートフォリオ入りを目指す銘柄分析第10回目は機械のセクターの後半。

毎度おさらいになりますが高配当ポートフォリオの候補を探す上で指定した値は以下です。

PER(株価収益率)     ~15
PBR(株価純資産倍率)   ~1.05
ROE(自己資本利益率)   10~
ROA(総資産当期利益率)  5~
配当利回り         3.7~
自己資本比率        40~
流動比率          120~

そして該当した銘柄が以下になります。

機械 リスト

機械セクターの前半を作成した7/26から、また株価が結構変わりました。ここのところ全面安の状態で、利回りがアップしているのが3銘柄。唯一新晃工業だけ4.08→3.97とダウンしています。
ただ、基準となる3.7を下回った訳ではありませんので候補の入れ替え等は無しです。
後半の今回は、残った2社、キトーと新晃工業です。

(6409)キトー  

【特色】工場用、建設土木用の搬送機器メーカー。ホイスト(巻き上げ機)で独走、海外生産体制を強化中
【連結事業】ホイスト・クレーン等の製造・販売100【海外】74 <20・3>  ※会社四季報オンラインより

キトーという会社は何を製造しているのでしょうか。四季報にはホイスト(巻き上げ機)で独走とあります。
HPの製品展開のページにはこんな風に書いてあります。「モノを持ち上げ、運び、固定する作業に不可欠な、マテリアルハンドリング機器のリーディングカンパニー」
そして製品の写真を見て、マテリアルハンドリングを伝えるときに一番適切な説明は「ターミネーター2でシュワちゃんが掴まって降りていく電動のクサリ」です。
一般人が生活する中で目にすることはほとんどありませんが、工場で重いものを運んだり持ち上げたりする際は必須の製品であることは容易に想像できます。
この先直ぐに廃れるものではないでしょう。国内では独走ということですので、期待できるのではないでしょうか。

業績を見てみましょう

キトー 業務実績

2019年が最高益ですから20年は減収減益ではあります。とは言え18年より20年の方が業績は良いので19年を抜かせば順当に伸びているとも言えます。
21年の通期予想が未定ですがこの発表次第で十分候補になるのではないでしょうか。
3か月決算の前年同期比は売上から経常までマイナスの値ですが、EPSは20%近い上昇です。コロナ禍で決算ズタボロの企業が多い中十分健闘しているのではと思います。

キトー 3か月決算

キャッシュフローはどうでしょう

キトー キャッシュフロー

営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローも毎年しっかりプラスを稼いでいますし、先行投資もきちんと行っているようです。
特に問題点は見当たりませんでした。

財務状況を見てみます

キトー 財務状況

自己資本比率はここ最近で40%に届いたという感じ、有利子負債倍率もまだまだ低い値とは言えません。
が、毎年順当に改善していっているのでこのまま推移すれば直ぐに良い値になるのではないでしょうか。

バフェットコードからグラフもチェック

キトー 各種グラフ

細かく見れば凸凹していますが、大きく見ればほぼ全ての要素が右肩上がりに上昇しています。
アメリカの売り上げが大きいのに、利益率がかなり低いところは気になる所です。現在円高傾向ですので、やや不安ですね。

チャートを見てみます

キトー チャート

現在2番底を目指してまっしぐらという感じで落ちています。7月入ってから全体的に株価が下落傾向(日経平均はそんなことないんですけどね)なので仕方ないでしょう。高配当ポートフォリオには株価は低いほど利回りが良くなりますが、業績悪化に伴う下落であれば減配リスクが付き纏うので どうでしょうか。

今まで見てきた指標からすると、そんなことは無いように感じましたけれど。

 

(6458)新晃工業  

【特色】セントラル空調機器でシェア4割弱。業務用空調機の中堅。中国やタイ進出。ビル管理会社併営
【連結事業】空調機器製造販売89、ビル管理等11【海外】14 <20・3>  ※会社四季報オンラインより

一部の部屋というよりも、施設全体の空調を管理する機器の設計・製造・メンテナンスを手掛けているようです。
施設というのはオフィス、工場、病院、駅、商業施設など様々でした。
HPで大々的に謳っていないのですが、人が集まる施設のセントラル空調と言えば、これからのwithコロナ時代に需要が高まるのではないでしょうか。
空調と換気は異なるのかもしれませんが、クリーンルームのシステムもあるようなので、今後発展していく可能性もあると思います。

業績を見てみましょう

新晃工業 業務実績

2020年、過去最高となっていますがオリンピック特需があったようです。コロナ禍においては人が集まる施設自体スカスカになってしまいましたので、今期未定の業績悪化は免れないでしょう。
しかし、オリンピックが無くても過去の業績は着実に伸ばしていますし、8/6の決算発表が待たれるところです。

キャッシュフローはどうでしょう

新晃工業 キャッシュフロー

良いと思います。営業キャッシュフローが大きくプラスでその中から投資を賄い、フリーキャッシュフローも毎年プラスをキープしています。

財務状況を見てみます

新晃工業 財務状況

自己資産比率は高いレベルでさらなる上昇を見せていますし、有利子負債倍率もほとんどゼロに近い数値です。
経営基盤は盤石と言えるでしょう。

バフェットコードからグラフもチェック

新晃工業 各種グラフ

アジアへの営業利益以外、ほぼすべての値が右肩上がりに見えます。配当性向も問題ないレベルです。
20年の業績が良かったことで配当金がググっと増配されていますが、今期の成績での減配リスクはちょっとだけ高いかなと思いますね。

チャートを見てみます

新晃工業 チャート

3つの移動平均線が超密集してどっちに振れてもおかしくない状況から、7/31の全面安を受けて一気に下振れしました。
が、この日は銘柄関係なく下落したので今後に注目です。
底値でくすぶっているように見えますので、好決算だと株価上昇もありそうです。ギャンブルになってしまいますが、決算前にエントリーしておくのも手かな?という状況ですね。

まとめ

4社見て参りましたが、前半から清掃ゴンドラのサンセイ、後半からセントラル空調の新晃工業をポートフォリオ入りにしたいと思います。

どちらも業績の実績は問題なく、これからの売り上げ増の可能性を感じたからです。
コロナ禍で今期の業績悪化は免れないでしょうけれど、長い目で伸びていってくれればと思います。

キトーも候補入りの要素十分だったのですが、1セクターから3銘柄入れるとポートフォリオ上の割合が増えてしまうので一旦削りました。決算次第では入れ替えもありです。

※この分析に使用した指標は7/31時点の値です。現在のものとは異なります。

※投資は自己責任でお願いします

セントラル空調のイメージ
最新情報をチェックしよう!