【株】電気機器セクターの銘柄分析/検討:リーダー電子【高配当PF】

高配当ポートフォリオ入りを目指す銘柄分析第11回目は電気機器のセクター。

毎度おさらいになりますが高配当ポートフォリオの候補を探す上で指定した値は以下です。

PER(株価収益率)     ~15
PBR(株価純資産倍率)   ~1.05
ROE(自己資本利益率)   10~
ROA(総資産当期利益率)  5~
配当利回り         3.7~
自己資本比率        40~
流動比率          120~

そして該当した銘柄が以下になります。

電気機器 リスト

SBI証券のスクリーニング機能を使った高配当ポートフォリオ探しの初回、6月後半の時点ではリストに上がってこなかった銘柄です。
それもそのはず、当時の株価は780円ほど。配当利回りは前期の配当金と同額の想定で3.3%程度でした。基準は3.7%なので当然対象外です。
そして本日(8/2)、改めてスクリーニング機能を使ってみるとリストアップされてきました。

今回はいつもと順番を変えてチャートから見ていきます。

リーダー電子 チャート

凄まじい下落っぷりです。この急落で配当が前期同額であれば、ですが何と4.4%まで上がってきました。
値嵩株なら分かりますが、この株価で1ヵ月ちょっとの間に200円近く下がるなんて一体何があったのでしょうか。

(6867)リーダー電子

【特色】電気計測器の中堅メーカー。放送、AV関連に強み。製造部門を廃止し、完全ファブレス化
【連結事業】ビデオ関連機器91、電波関連機器5、他4【海外】40 <20・3> ※会社四季報オンラインより

分析の結果、結論から言うとポートフォリオ入りは無しです。
HPの企業情報からメイン事業の説明をそのまま載せます。

「主に放送局や映像制作の現場に向けた計測器です。波形モニターは、入力された映像信号の色や明るさ等をリアルタイムで可視化、解析する装置です。テレビ局をはじめビデオの制作会社やプロダクションでは、映像の確認のために必ずといっていいほど波形モニターを使用しています。近年は映像信号のデジタル化に伴い、音声などの情報を表示することも求められており、より多機能化しています。テストシグナルジェネレーターは、放送局内の基準信号を発生し「途切れない、乱れない」安定した放送を維持するために欠かせない装置です。わたしたちの映像技術への信頼は、絶対にミスが許されない放送の現場で採用されることによって実証されています。」

う~ん、TV業界はいま相当厳しいんじゃないでしょうか。コロナの第一波では結構な関係者が感染しスタジオもダメ、ロケもダメ、スポーツ中継もスポーツ自体やってないと散々でした。
過去のドラマや番組の再放送で凌ぎましたが、これから第二派がくればもう手段がないかもしれませんね。

オリンピックの延期(中止も可能性あり)はかなり痛いでしょうね。

若者のTV離れが話題に上りますが、まだまだTVが衰退することは無いと思います。とは言っても、とにもかくにも今の状況ではコロナのワクチン開発か特効薬が出るまでは厳しいでしょう。

業績を見てみましょう

リーダー電子 業務実績

こちらは7/31に決算発表があったばかりで、いつも利用しているサイトの更新が追いついておらず、更新されていた半期のものです。
前年同期比が軒並み赤転、赤転です。ちなみに通期の予想では、EPSが12.4円ですので、前期通りに配当を出すと配当性向が100%を超えますので、減配はほぼ間違いないと思っています。

キャッシュフローはどうでしょう

リーダー電子 キャッシュフロー

営業キャッシュフローがマイナスの年があり高配当ポートフォリオには適さない感じです。

投資にお金を回さなかったのはこの先資金管理が苦しくなることへの備えでしょうか。

財務状況を見てみます

リーダー電子 財務状況

売上や利益の不安定さと反対に、自己資本比率も有利子負債倍率ももの凄く健全な経営なんですね。
健全というか、かなり優秀な数値です。
利益剰余金も豊富なので、ひょっとしたら減配せず今期の配当金を前期並みに出すという事もあるかもしれません。

バフェットコードの替わりに決算短信です

リーダー電子 決算短信

1Qは赤字が目立ちます。

この減収で、なぜ自己資本比率を上昇させることが出来るのかというと、退職給付に関わる負債が1億4千万減ったからとあります。

また、この時点では通期の配当が未定のままです。減収減益が激しい中で無配や減配を決定しないということは、残りの期間で挽回する何か自信のようなものがあるのかもしれません。

まとめ

売上高の不安定さ、おそらく減配するであろうことから高配当ポートフォリオには入れられません。

ただし、コロナの情勢が安定したら、オリンピック需要や8KTVへの移行などで業績の回復が見込まれる気がします。
最近よくYouTuberがテレビのバラエティー番組に出演したり、お笑い第7世代が出ない日が無かったり、若者のTV離れを改善するべく放送する側も工夫しているようですし、TV業界が無くなったりすることはないでしょう。完全ファブレス化というビジネスモデルも良いと思います。

この株価はまさにどん底(もう少し下がるかもしれませんが)に思えるので、復活を信じて仕込んでおくことはありかもしれません。

 

※この分析に使用した指標は8/2時点の値です。現在のものとは異なります。

※投資は自己責任でお願いします

リーダー電子
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