高配当ポートフォリオ入りを目指す銘柄分析第14回目は情報通信のセクター。
毎度おさらいになりますが高配当ポートフォリオの候補を探す上で指定した値は以下です。
PER(株価収益率) ~15
PBR(株価純資産倍率) ~1.05
ROE(自己資本利益率) 10~
ROA(総資産当期利益率) 5~
配当利回り 3.7~
自己資本比率 40~
流動比率 120~
一番最初の候補リストには4銘柄入っていたのですが、配当が未定になったり株価急騰で利回りが基準を下回り8/22時点で1銘柄になってしまいました。
そして株価急騰でリストから外れたJFEシステムズは売上も利益もきれいな右肩上がりを見せていたので高配当ポートフォリオに入れたい銘柄でした。
もっと早く分析を終わらせていたら、購入時は高配当で株価も上がるという理想の状態になっていたのに…
さて残った1銘柄は以下になります。
情報通信のセクター、いわゆるIT業界です。実は私もこの業界に勤める人間です。非上場のかなり小さな中小企業ですけれど。
IT業界といっても業種は様々で、ハードも作る大手ベンダー、大企業のシステム化をプライムで引き受けるSIer、そこから仕事を受ける2次請けのシステム会社などあります。
また、パッケージソフトを作る会社やAIやVRなど最先端の技術で独自のサービスを生み出すベンチャーなども含まれます。
ITで企業活動の課題を解決するためのシステム開発を請ける業態は、いわゆる人月ビジネスモデルであり、人数×単価以上の売上は望めません。
システムエンジニアの単価はなかなか高いので売り上げは見込めるのですが、仕事がない(リーマンショックのような)時は抱えている社員が全てコストになるという諸刃の剣でもあります。
SaaSのようにサブスクのビジネスモデルであれば強いとは思いますが…。
(3847)パシフィックシステム
【特色】太平洋セメント系の情報サービス業。画像処理に強み。親会社向け販売3割で、顧客開拓が課題
【連結事業】機器等販売24(7)、ソフトウェア開発21(16)、システム販売26(9)、システム運用・管理等30(31) <20・3> ※会社四季報オンラインより
業績を見てみましょう
売上高は前期比6.6%のマイナスとコロナ禍でも頑張っているようですが、利益に関しては約半減となっています。
それでいて減配はー10円で収まっており、基準以上の利回りはキープ出来ていますね。
キャッシュフローはどうでしょう
前期までは毎年安定して営業キャッシュフローを稼いでいます。
システム開発は発注する側の景気に左右されますので、コロナの影響が出始める今期の成績が危ぶまれます。
財務状況を見てみます。
自己資本比率60%超え、無借金経営と多少の景気悪化くらいは耐えられそうな財務体質ですね。
特に親会社があるシステム会社は安定して開発を請けられるので強いです。
バフェットコードからグラフもチェックします。
売上高は微増のようですが、利益、配当金は結構きれいな右肩上がりですね。
21年はどこの企業も厳しいのは仕方ありません。この踏ん張りどころを乗り切れるかどうかが勝負でしょう。
チャートを見てみます
何でしょうかこの一本線の多さは…
よほど出来高が少ないんでしょうね。一日の株価の変動が全くない日がこんなに表れるチャートを初めて見ました。
株価的にはコロナショックの底値目指してまっしぐらに下降しているようにも見えます。
まとめ
今期の減収減益は致し方ないとは思います。コロナショックを乗り切れるかが勝負だと思いますが、財務の健全性や親会社のある安定性からみて多少のことではへこまないと思います。
銀行のWEB取引を利用して携帯端末にお金を移し、○○ペイでそのまま決済するという便利さに一度慣れたら、銀行に並んで現金を下ろすなんて面倒くさくて出来ませんよね。
業務の効率化も同じことで、システム化を一度行えば後に戻れませんから、安定した開発・保守は見込めると思います。
という訳で、ポートフォリオに入れてもいいと思いました。
ただ、本当のことを言うと株価急騰で利回りが低くなってしまったJFEシステムズの方が良いなあという感じはしています…
※この分析に使用した指標は8/22時点の値です。現在のものとは異なります。
※投資は自己責任でお願いします