【株】鉄鋼の銘柄分析/検討:新報国製鉄【高配当PF】
高配当ポートフォリオ入りを目指す銘柄分析第7回目は鉄鋼のセクター。
毎度おさらいになりますが高配当ポートフォリオの候補を探す上で指定した値は以下です。
PER(株価収益率) ~15
PBR(株価純資産倍率) ~1.05
ROE(自己資本利益率) 10~
ROA(総資産当期利益率) 5~
配当利回り 3.7~
自己資本比率 40~
流動比率 120~
SBI証券のスクリーニング機能を使ってリストアップしているのですが、7/23現在鉄鋼のセクターでは以下の1社がヒットしました。
しかし、他のサイトで見ると配当利回りが1%以上も低いのでおや?と思ったら、SBI証券は2020年の配当が前期と同じ40円で計算されていました。
決算短信を見た所、2020年12月の配当が25円から15円に、通期で40円から30円に減配するようなのでこの配当利回りではなくなります。
配当金30円と7/23現在の株価833円で再計算すると配当利回りは3.6です。この高配当ポートフォリオの利回りの下限は3.7%に設けていますのでこの時点で対象外になるのですが、せっかくなので分析してみます。
(5542)新報国製鉄
【特色】鋳鋼品中堅メーカー。高炉依存から半導体や液晶製造装置向けに急傾斜。低熱膨張合金が収益柱
【単独事業】特殊合金97(9)、不動産賃貸3(79) <19・12> ※会社四季報オンラインより
今をときめく半導体へ急傾斜ですか。ふむふむ、良い感じがしますね。
業績を見てみましょう
売上高、営業益ともに減少しており、減配も頷けます。特に1株益ら辺の凋落っぷりが大きいですね。
3か月決算の前年同期比もかなり低い数値となってしまっています。
ちなみに前年同期比はこちら
キャッシュフローはどうでしょう
2019年の営業CFが大幅に上昇していますが3年連続営業CFがプラスとなっていないのは気になります。
年によって業績に差があると、減配リスクも高くなりますよね。まぁ今回もそうですが。
財務状況を見てみます。
数値で見ると財務状況に問題は無いように思います。自己資本比率は順調に増えていますし、
有利子負債倍率は減少しています。直ぐに倒産というリスクは少なそうですね。
バフェットコードからグラフもチェック
売上高の減少傾向も見えますが、利益系の落ち込みの方が際立ちますね。特にEPS(1株あたり純利益)がかなりの落ち込みですね。
それよりもセグメント別売上以降が気になります。全体の2.8%程度の売上である不動産賃貸業の利益が全体の9割近くですか…
チャートを見てみます
コロナショックよりも若干早く下落トレンドに入ったように見えます。下落トレンドの途中でコロナショックに突入して一層加速したかのようですね。
コロナ復活の上昇気流には乗れずにもう半年近く下落しているようなのですが3つの移動平均線がかなり密集していますし長期移動平均線は若干上昇に向かっているようにも見えます。
まとめ
ずばり高配当ポートフォリオには入りません。そもそも利回りが減配によって基準以下になってしまいましたので。
株価があと24円下がれば基準の3.7%になるのですが本業の製鉄業よりも不動産賃貸のほうが利益率が高い、業績が毎年安定していない、直近で減配していることから超長期保有の銘柄にはなりそうもありません。
しかし、今がかなり底っぽいチャートを描いているように見えますので、出来高を伴った上昇を見せた(上昇トレンドの傾向が見えた)際に、短期保有で買ってみるのは良いかもしれません。財務状況は良好ですしね。
※この分析に使用した指標は7/23時点の値です。現在のものとは異なります。
※投資は自己責任でお願いします